(1) |
取引時の確認事項の追加(4条1項)
宅地建物取引業者が、上記「特定取引」(宅地又は建物の売買契約の締結又はその代理若しくは媒介)を行うに際しては、@その顧客の本人特定事項(個人の場合は氏名、住居及び生年月日、法人の場合は名称及び本店又は主たる事務所の所在地)について、運転免許証(個人)、登記事項証明書(法人)等の公的証明書等により確認することが義務づけられています。
今回の改正により、上記に加え、以下事項の確認が義務化されました。 |
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記 |
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A |
取引を行う目的〔申告を受け確認〕 |
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B |
職業(個人の場合〔申告を受け確認〕)又は事業の内容(法人の場合〔登記事項証明書、定款等の書類の確認〕) |
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C |
実質的支配者{顧客が法人の場合、その法人の事業経営を実質的に支配することが可能となる関係にある者で、その法人の議決権総数の25%を超える議決権を有する者等(法人含む)}の有無〔申告を受け確認〕、有る場合の本人特定事項〔申告を受け確認〕 |
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D |
資産及び収入の状況(「ハイリスク取引」(以下で説明)の場合)
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(2) |
ハイリスク取引の類型の追加(4条2項)
以下の3類型を、マネー・ローンダリングに利用される恐れが特に高いと認められる取引(以下「ハイリスク取引」と言います。)と位置づけ、これらの取引においては、@「本人特定事項」及びC「実質的支配者」について、より厳格な方法により確認することとされました。 |
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記 |
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a |
なりすましの疑いがある取引 |
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b |
取引時確認に係る事項を偽っていた疑いがある顧客との取引 |
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c |
特定国等(政令によりイラン及び北朝鮮が指定)に居住・所在している顧客との取引
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@「本人特定事項」については、(1)の本人確認資料に加えて、それとは別の本人確認書類の提示等の確認が必要(本人確認資料が2通り必要)となります。
C「実質的支配者」については、その有無について株主名簿等の書類を用いて確認するとともに、有る場合の本人特定事項について、本人確認書類等により確認することが必要となります。
また、ハイリスク取引が200万円を超える財産の移転を伴う場合である場合には、D「資産及び収入の状況」について、書類(個人の場合:源泉徴収票、確定申告書等、法人の場合:貸借対照表等)で確認を行うことが必要とされました。
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(3) |
疑わしい取引の届出(8条)
宅地建物取引業者は、取引時確認の結果その他の事情を勘案して、上記「特定業務」(宅地建物の売買またはその代理若しくは媒介に係る業務)において収受した財産が犯罪による収益である等の疑いがあると認められる場合においては、速やかに、以下事項について、その免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならないこととされました。 |
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記 |
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ア |
疑わしい取引の届出を行う宅地建物取引業者の名称及び所在地 |
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イ |
疑わしい取引の対象となる取引(以下「対象取引」と言います。)が発生した年月日及び場所 |
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ウ |
対象取引が発生した業務の内容 |
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エ |
対象取引に係る財産の内容 |
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オ |
宅地建物取引業者において知り得た対象取引に係る本人特定事項、取引を行う目的、職業又は事業内容及び実質支配者に関する事項 |
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カ |
疑わしい取引の届出を行う理由
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