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売買の目的とされた建物が、いわゆる建ぺい率違反の建築である場合に、瑕疵担保責任に基づき買主の契約解除が認められた事例(東京地裁昭39・12・17判決)。このケースは、法律的瑕疵が認められたケースです。 |
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建物の売買契約について、都市計画上の対象土地上に存することは「隠れた瑕疵」とはならないとされた事例(大阪地裁昭47・3・28判決)。このケースも法律的瑕疵が問題となったケースです。 |
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買い受けた旅館の浴室・脱衣所が老朽化していることは、「隠れた瑕疵」とはならないとされた事例(札幌高裁昭53・8・15判決)。これは物理的欠陥のケースです。 |
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マンションのバルコニーが、利用上避難通路としての制約を受けている場合、「隠れた瑕疵」に当たらないとされた事例(広島地裁昭54・3・23判決)。これは法律的瑕疵の主張です。 |
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マンション売買で、専用庭に設置する温室での園芸活動を目的として購入したのに、契約後に南側隣接地に予想外の高い建物が建築され、日照が阻害されたことが「隠れた瑕疵」に当たるとされた事例(大阪地裁昭61・12・12判決)。これは環境的瑕疵の一種と考えられます。 |
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居住用のマンションを購入したが、そのマンションで6年前に首つり自殺があったことが後で判り、「隠れた瑕疵」に当たるとされ、契約解除まで認めた事例(横浜地裁平元・9・7判決)。これは心理的瑕疵の典型事例です。 |
(7) |
海浜のリゾートマンション購入について、付近にその後別の建築物が建築され、その眺望等が阻害されるに至ったケースで「隠れた瑕疵」を否定した事例(東京地裁平2・6・26判決)。これも一種の環境的瑕疵と考えられます。 |
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新築後間もない鉄筋コンクリート造マンションの売買について、防水工事の不完全,クラック発生の原因となる外壁の構造上の欠陥がある場合、「隠れた瑕疵」に当たるとされた事例(東京地裁平4・9・16判決)。 |
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中古マンションを購入したが、同じマンションに新築時から暴力団員一家が居住して他の入居者に様々な迷惑行為を行っていることが判ったケースで、「隠れた瑕疵」と認定した事例(東京地裁平9・7・7判決)。 |
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土地建物の売買で、建物内で売主の親族が自殺していたことが「隠れた瑕疵」に当たるとした事例(浦和地裁川越支部平9・8・19判決)。 |
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築8年の中古一戸建てを購入したところ、屋根裏に多数のコウモリが棲息し駆除が必要なケースで、「隠れた瑕疵」に当たるとされた事例(神戸地裁平11・7・30判決)。 |
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新築マンションの共用部分の外壁が剥落したことが「隠れた瑕疵」に当たるとされた事例(福岡高裁平18・3・9判決)。 |