6.[参考資料]
平成24年9月 国土交通省の平成24年度の地価調査結果の概要
○ 平成23年7月以降の1年間の地価は、全国的に依然として下落を示したが、下落率は縮小し、上昇・横這いの地点も増加した。
○ 地価公示(1月1日時点の調査)との共通地点で半年毎の地価動向をみると、東日本大震災のあった平成23年1月〜6月に拡大した下落率は、平成23年7月〜12月以降縮小しており平成24年1月〜6月は下落率が更に縮小した。
○ 不動産市場は回復傾向を示しているが、円高、欧州債務危機等の先行き不透明感による地価への影響も見られる。
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【住宅地】
◆ 低金利や住宅ローン減税等の施策による住宅需要の下支えもあって下落率は縮小した。人口の増加した地域で下落率の小さい傾向が見られ、また住環境良好あるいは交通利便性の高い地点で地価の上昇が見られる。
◆ 圏域別にみると
・東京圏は、大震災の影響からの回復傾向が見られ、半年毎の地価動向を見ると、特に平成24年1月〜6月は回復の程度が加速した。特に神奈川県では横浜市及び川崎市を中心として上昇地点が増加した。
・大阪圏は、1年間を通じて下落率が縮小しており、上昇地点も兵庫県を中心として増加した。
・名古屋圏は、平成23年7月〜12月は圏域として横這いとなり、更に平成24年1月〜6月は上昇となった。
・地方圏は、前年度より下落が縮小し、上昇地点が増加した。特徴的な地域をみると、宮城県が東京都と同率(▲0.6%)となり、全国でも愛知県に次ぐ下落率の低さを示したほか、福岡県で上昇地点が増加した。
【商業地】
◆ 前年より下落率が縮小した。オフィス系は依然高い空室率となっているものの、新規供給の一服感から低下傾向にあり改善傾向が見られる地域も多い。また、店舗系は大型店舗との競合で中小店舗の商況は厳しく商業地への需要は弱いものとなっている。一方、主要都市の中心部において、賃料調整が進んだこともあって、BCP(事業継続計画)やコスト削減等の観点から、耐震性に優れる新築・大規模オフィス業務機能を集約させる動きが見られ、こうしたオフィスが集積している地域の地点の地価は下げ止まってきている。また三大都市圏と一部の地方圏においては、J-REITによる積極的な不動産取得が見られた。その他、堅調な住宅需要を背景に商業地をマンション用地として利用する動きが全国的に見られた。
◆ 圏域別にみると
・東京圏は、大震災の影響からの回復傾向が見られ、特に平成24年1月〜6月は回復の程度が加速した。特に神奈川県では横浜市及び川崎市を中心として上昇地点が増加した。
・大阪圏は、1年間を通じて下落率が縮小し、平成24年1月〜6月は回復の程度が加速した。特に大阪府を中心として上昇地点が増加した。
・名古屋圏は、圏域として1年間でほぼ横這いとなった。
・地方圏は、前年より下落率が縮小した。特徴的な地域をみると、マンション用地等の需要により滋賀県草津市、大津市及び福岡県福岡市の早良区では全体で上昇となった。
【東日本大震災の被災地】
◆ 福島県では、平成24年7月1日現在で、原子力災害対策特別措置法により設定された警戒区域等に存する基準地についての調査を休止した(休止は警戒区域、計画的避難区域及び避難指示解除準備区域内の31地点)。
◆ 被災地における土地への需要は被災の程度により差が見られ、特に宮城県では浸水を免れた高台の住宅地等に対する移転需要が高まり地価の上昇地点が見られ、石巻市、東松島市等では住宅地及び商業地の全体で上昇した。岩手県でも宮古市、釜石市等では住宅地の全体で上昇した。福島県では全般的に前年より下落率が縮小した。
7.[今後の動向について]
今回の地価調査の結果をみると、一部には上昇した地点もあり、地価の下落に歯止めがかかりつつ、地価を取りまく環境が良くなっていくきざしも見受けられます。
しかし、東日本大震災の影響や経済状況、雇用等様々な問題もあり、予断は許されない状況にあります。
特に、今回上昇した理由として、利便性、快適性等が指摘されていることは、逆にこれらの要因において弱い地域については、今後も厳しい状況が続くものと予測されます。
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