1 はじめに
国土交通省は、平成29年11月24日に、平成29年第3四半期主要都市の高度利用地地価動向報告〜地価LOOKレポート〜の結果を公表しました。
この主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)とは、主要都市の地価動向を先行的に表しやすい高度利用地等の地区について、四半期毎に地価動向を把握することにより先行的な地価動向を明らかにするもので、平成19年第4四半期から継続して公表されています。調査内容は、鑑定評価員(不動産鑑定士)が調査対象地区の不動産市場の動向に関する情報を収集するとともに、不動産鑑定評価に準じた方法によって地価動向を把握し、その結果を国土交通省において集約します。また、各地区の不動産関連企業、金融機関等の地元不動産関係者にヒアリングを行った結果が掲載されています。
対象地区は、三大都市圏、地方中心都市等において特に地価動向を把握する必要性の高い地区となっており、平成26年第4四半期までは東京圏65地区、大阪圏39地区、名古屋圏14地区、地方中心都市等32地区の合計150地区でしたが、平成27年第1四半期からは東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方中心都市等23地区の合計100地区となりました。これを用途別に分けますと、高層住宅等により高度利用されている住宅系地区が32地区、店舗、事務所等が高度に集積している商業系地区が68地区設定されています。
なお、従来から実施されている、地価公示や都道府県地価調査に比べ、その対象範囲は限定的で、対象地点は少ないですが、地価動向を先行的に表しやすい高度利用地等のみを抽出・選定し、また速報性を重視したもので、その内容や役割がやや異なっています(【表1】参照)。
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