第1 はじめに
1 売買対象とされた土地に土壌汚染や地中埋設物などの存在が発覚した場合、それらの処理金額とこれに伴う損害賠償の額が高額化するため、売主側・買主側の対立が大きくなる傾向があります。
このような場合には、土地の瑕疵担保責任が問題とされることが一般的ですが、その他にも、土地の性状等に関する売主の説明が不十分であったとして、売主としての信義則上の説明義務違反が問題とされることも多くあります。
2 また、地中埋設物との関係では、建物を解体した上で土地更地渡しとする土地売買契約において、引渡し後に地中埋設物の存在が発覚し、問題となることがあります。
3 今回は、@土地埋設物についての説明義務違反が問題となった事例と、A土地更地渡し特約付きの売買契約における地中埋設物の残置が問題となった事例を紹介します。