『不動産所得の仕組みについて』|一般財団法人大阪府宅地建物取引士センター　メールマガジン

１　所得税の概要

（１）所得の種類

　所得税は、個人の所得に対して課税される国税です。
　所得は、その性質や態様によって10種類に区分されます。

①利子所得 ②配当所得 ③不動産所得 ④事業所得 ⑤給与所得
⑥退職所得 ⑦山林所得 ⑧譲渡所得 ⑨一時所得 ⑩雑所得

（２）所得税の計算手順

　所得税は、次の①から④の順番で計算していきます。
　また、所得税申告の際には、青色申告書や収支計算書、所得税申告書の各欄に金額を記載して計算します。

① 所得金額の計算（10種類に区分して計算）
　　　　【青色決算書、収支計算書、申告書第1表「収入金額等」欄】

↓

② 課税標準の計算（損益通算）
　　　　【申告書第1表「所得金額」欄】

↓

③ 課税所得金額の計算（所得控除）
　　　　【申告書第1表「所得から差し引かれる金額」欄】

↓

④ 所得税額の計算
　　　　【申告書第1表「税金の計算」欄】

（３）所得金額の計算

　各所得について、その年分（毎年1月1日から12月31日まで）の収入金額から必要経費等を差し引いて所得金額を計算します。

収入金額－必要経費等＝所得金額

（４）損益通算

　分離課税のものを除き、各所得金額を合算（総合課税）して総所得金額（課税標準額）を計算します。
　損益通算とは、各所得金額の計算上生じた損失のうち一定のものについて、一定の順序にしたがって、総所得金額などを計算する際に他の各種所得の金額から控除することです。
　損益通算が可能な損失は、次の所得に係るものに限られます。

　① 不動産所得
　② 事業所得
　③ 山林所得
　④ 譲渡所得（不動産の売却等一定のものに係る損失は通算不可）

（５）所得税額の計算

　課税標準額から扶養控除や社会保険料控除などの所得控除額を差し引いて課税所得金額を計算します。
　次に課税所得金額に税率を乗じて所得税額を計算します。

課税所得金額（総所得金額－所得控除額） × 税率＝所得税額

（６）所得税の確定申告

　所得税は、納税者が自ら所得金額と所得税額を計算し、自ら納付する「申告納税方式」を採用しています。所得税の納税義務者は、その年の翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告書を提出し、確定した所得税を納付します。

	『不動産所得の仕組みについて』
	税理士徳芳郎