(1) |
本件私道は、X1、X2(X1の配偶者)、Y1、Y2(X1とY1、Y2は兄妹)、A、B、Cの共有であった。 |
(2) |
X1、X2、Y1、Y2は、それぞれ本件私道に面する土地を所有していた(X1とX2は共有)。 |
(3) |
本件私道には、X1X2所有の土地と本件私道の境界に近接し、X1X2所有の土地の真ん中あたりの位置に電柱があり、X1X2所有の土地から本件私道に自動車で出入りする際には、自動車の大きさによっては出入りに手間がかかるなど電柱が支障となる場合があった。 |
(4) |
X1、X2は、本件私道に隣接する土地を取得するにあたり、電柱が前記の位置にあることは知っていたが、Y1、Y2とは兄妹の関係にあることから電柱を移設してもY1、Y2所有の建物の使用に特段の支障がなければY1、Y2は移設に同意してくれると思っていた。 |
(5) |
X1、X2は、電柱の移設に関して次の提案を行った。
@ | 現在の位置から、X1X2所有の土地とY1所有の土地の境界付近に移設する案 |
A | 現在の位置から、Y1所有の土地内で同土地とY2所有の土地の境界付近に移設する案 |
B | 本件電柱は撤去し、本件私道上の公道寄りにあるもう1本の電柱を1.5m〜2m、現在本件電柱がある方向に移設し、この電柱からY1及びY2所有の建物に電気を引き込む案 |
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(6) |
これに対し、
@案に対しては、建物の景観や資産価値が損なわれるとしてY1が反対した。
A案に対しては、Y1は同意したが、Y2の意向を確認しない状態で立案された提案であったことから、Y2所有の建物に居住するY2の子が反対したため、Y1はその意向を尊重した。
B案に対しては、電柱から建物までの距離が長くなることによる建物側の引込取付点への荷重の増加や電線のたるみに対する懸念などから、Y1及びY2が反対した。
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(7) |
この間にX1、X2は、Y1及びY2以外の私道共有者から電柱の移設先の指定権限について委任を受けた。これによりX1、X2がする移設の計画は、本件私道の共有者の持分の価格の過半数の同意を得られる状況となった。
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