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住み替えを検討していたXは、平成30年11月10日、Y(不動産会社)との間で、令和元年8月竣工予定の新築マンションを下記約定で購入する旨の売買契約を締結しました。
@売買代金 5298万円
A代金の支払時期
ア 手付金 530万円(売買契約締結時)
イ 中間金 530万円(平成30年12月20日限り)
1848万円(令和元年6月20日限り)
ウ 最終金 2390万円(令和元年9月26日限り)
B引き渡し予定日 令和元年9月26日
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Xは、Y会社に手付金530万円と中間金530万円を支払いましたが、融資金額の増額ができなかったため、自宅が売れないまま新しい家を購入することに不安を覚え、令和元年9月1日、Y会社に本件売買契約を解約したい旨電話で申し入れました。 Y会社は手付解除しか応じられない旨Xに伝え、日程調整の上、9月17日にY会社において解約手続をすることになりました。
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(3) |
9月17日、Xの代理人弁護士がY会社を訪れ、既払いの手付金及び中間金全額の返金を求めました。
これに対し、Y会社は4238万円の残代金の支払の催告をしたうえで本件売買契約を債務不履行解除し、11月6日、約定に基づく違約金(売買代金の20%、1059万6000円)と受領済みの1060万円(手付金と1回目の中間金合計)を対当額で相殺する旨の意思表示をしました。
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Xは、Xが受けられる融資額についてY会社が虚偽の事実を述べたとして、本件売買契約の詐欺取消や不実告知(消費者契約法4条1項1号)を理由とする取消等を主張し、訴訟提起しました。
訴訟手続が進行し証人尋問が終了した後、裁判所からの求釈明を契機として、Xから手付解除の主張(予備的請求)が追加されました。
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